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卒園・卒業式のママコーデ♪キモノなら何を着る?

  • コーディネート
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  • 2021/02/09

    いよいよ卒業シーズン。お子様が主役の「卒園式」や「卒業式」ですが、もちろん親御様にとっても喜ばしい日ですよね。

    卒業シーンのお母様の装いはセットアップのスーツなどが定番ですが、せっかく新調しても普段づかいできずに1、2回着て終わってしまう…という話をよくお聞きします。

    そこでオススメなのは、一枚あれば長く着用できるといわれる『着物』。今回は、卒園・卒業ママのコーディネートとして「キモノを着るのであれば何を着るか?」を特集します。


    卒園・卒業の式典に着るのであれば…

    日本の伝統文化である『着物』。
    今回のテーマのように卒園や卒業などの「晴れの席」ではぜひ着用したいですよね。

    ただ、普段から着物を着慣れない方にとってはかなり敷居が高いのも事実。

    ですが、この卒業シーンを機に『着物』についての理解や知識をふくめ、卒園・卒業のお支度に時間をかけることで、お子様との思いでやお世話になった方々への感謝へつながるかもしれません。

    そこで、まず押さえておきたいポイントは「何を着るか?」。

     

    卒園式・卒業式ようなフォーマルなシーンで着用する着物には種類があります。

    一番上の格式が「礼装」
    …黒留袖・色留袖

    その次に格式高い「準礼装」
    …訪問着・色無地

    この2タイプが『○○式』といわれる「式典」にはふさわしいとされています。


    そして、ズバリ!
    卒園式・卒業式に参列するママ(お母様)コーデとしては『準礼装』がオススメです。

    訪問着は卒園・卒業式だけでなく、入学式や結婚式、パーティーなどのお呼ばれにも着ていくことができますので、実は着用機会の多い着物でもあります。

    一枚持っていれば、帯や小物の合わせ方を変えることで、卒園・卒業式にはお別れを感じさせるコーディネート、入学式にはスタートを感じさせるコーディネートのように着回しもできます。

    着回し力バツグンの「訪問着」

    「訪問着」とは上半身と裾の両方に、縫い目を渡って柄や模様が入っている着物をいいます。

     

    実は着用機会が多いのが「訪問着」。

    結婚式への参列、同窓会などのパーティー、そして今回のような卒園・卒業などの式典…。お洋服でいうなれば、セットアップスーツのようなもの。小物合わせを変えればガラリと着姿の印象が変わるので、卒園・卒業→入学式へ続けて着用しても問題ありません。

    また、帯などを変えて着れば何十年と活用できる場合も。一枚持っておくと便利な着物です。

     

    もし卒園・卒業シーンのお母様の装いとしてお召しになるのであれば、周りと調和するような“やわらかい色とデザイン”がオススメ。

    柄の大きさが細やかな方が、ママにふさわしい優しい雰囲気を演出してくれます。

    主役はお子様。脇役に徹するママの「色無地」

    卒園・卒業の主役は、やっぱりお子様。

    あくまでもお母様は付き添い…脇役として、上品かつ控えめな装いが大人の嗜みかもしれません。そんな時は、一色で染められた「色無地」がふさわしいのでは。

    この「色無地」も「準礼装」になるので、卒園・卒業シーンにピッタリの着物です。 

     

    柄のある着物だと、自分の好みと着るシーンがあっているのか不安になったり、季節だったり…

    いろいろと気にりますが、「色無地」であれば心配ご無用。
    目立つ絵柄が描かれていないので迷わず安心です。

     

    20代・30代は
    パステルカラーの色無地を選ばれると、お顔うつりも良く上品に着こなすことができます。

    40代・50代・60代は
    渋めのカラーで余裕のある大人の雰囲気をかもしだしても素敵。

    若くして揃えたパステルカラーの色無地は、年齢を重ねてから濃い色に染め替えることもできるので、もし最初の一枚を揃えるのであれば淡い色合いがオススメです。

     
     
     
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    色無地の場合「紋(家紋)」を入れるかどうか悩むところです。

    色無地は「一つ紋(背中に一つ)」もしくは「無紋(紋を入れない)」のどちらかを選ぶことになりますが、「一つ紋」のほうがよりフォーマルになります。卒園・卒業シーンであれば「一つ紋」が望ましいところですが、「無紋」でも問題ありません。

     
     
     
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    紋は後から入れることもできるので、最初は紋を入れずに幅広いシーンで着用できるようにしておくのもいいかもしれません。

    帯は?「金・銀の袋帯」がオススメ

    着物が決まったら、次は帯。

    卒園・卒業シーンで着用するのであれば「袋帯」という格式高い帯が最適です。
    着用時に「二重太鼓」と呼ばれる、背中部分(お太鼓)が二重になるように結ぶことができる帯をいいます。

     

     

    訪問着でも色無地であっても、卒園・卒業の式典に参列する場合は、金糸や銀糸が使われている帯を選ぶと装いが華やかになります。

    また柄は「吉祥文様」や「有職文様」と呼ばれる縁起の良い柄のものがオススメ。このまた有職文様と吉祥文様は、季節を問わず通年で使用することができるので、一本持っていると重宝します。

     

    そして卒園・卒業シーンで訪問着や色無地を着るときは、帯を変えると雰囲気もガラっと変わります。

    晴れやかな席で着用するときは金や銀の帯、ちょっとしたお出掛けや同窓会などであれば、少しカジュアルな装いの帯や季節の柄を取り入れた帯…など、帯の選び方で着こなしの幅がぐっと広がります。


    卒園・卒業シーンのすぐ後にあるのが、入学。
    「卒園・卒業式と入学式を同じ服で行くのはちょっと…」と思うママは多いのではないでしょうか。

    洋装のフォーマルスーツだと着回しが難しくなりますが、着物であれば半衿や帯〆・帯揚げなどで印象を変えることができます。
    また帯のあわせ方で、卒園・卒業式は旅立ちのイメージ、入学式は明るいスタートを演出する装いにすることが可能です。

     

    着物はある程度の体型の変化にも対応できるし、お祝いの気持ちを装いで表現する…大事な一日に、洋服ではまず味わえない特別感を演出してくれます。
    そしてたった一枚の着物でも、自分らしいコーディネートを楽しめるのも着物の魅力。飽きずに長く着ることができる、超サスティナブルな衣服ではないでしょうか。

     

    コロナ禍で大変なときかもしれませんが、春ほど着物を着るのにふさわしい季節はありません。ぜひトライしてみてください!

     


    最後までお読みいただき、ありがとうございました✿

     

     

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