きものマガジン・ひととき
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華やかな織りの技法~唐織~
織りと言っても数多くの技法が存在し、それぞれ素敵な作品が作られています。
今回は長い歴史のある技法”唐織”を簡単にご紹介いたします。
ぜひ織りの魅力を感じて頂けたらと思います。
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立体感があり、まるで刺繍で描いたかのような柄。
実は『唐織(からおり)』という”織りの技法”で表現している作品です。
もともとは中国(唐)から渡来した織物の総称でしたが、平安時代に着用されていた十二単衣の上着(唐衣)に用いていた浮織組織の技法が進化し、唐織の技法が確立したと言われています。
安土桃山時代には小さな袖の「小袖」が正装として採用され、当時の時代の?栄を映すかのように華やかな柄を織り出した唐織の小袖は貴重なものとされていました。
織りの技法は中国を通じてもたらされたものですが、その後もっとも発展したのは日本だそうです。
様々な色糸に加えて金・銀糸を交えながら織られ、その重厚感と華やかさから現在は花嫁衣装や能装束にも用いられています。
唐織の独特な立体感のヒミツは糸を浮かして織っていることで柄が浮き上がって見えます。
そのため織り出すための織機も少々特殊で、高い技術を要しています。
唐織の技術を守り・繋ぐ
長い歴史と美しさを持つ唐織ですが、移り行く時代の中で華やかさ故に表舞台から姿を消す時期もありました。
その中でも今日までその技術や美しさを繋いだひとつの工房があります。
◆永治屋清左衛門(えいじやせいざえもん)◆
江戸時代の後期頃、もともとは京都で生糸問屋として創業し、現在で七代目になります。
生糸を扱っていたことから糸へのこだわりはもちろんながら、通常は分業製といって染色・図案・織りの設計といった工程をそれぞれの専門の職人が行うところ、ほとんどの工程を清左衛門の職人が行っています。
様々な織りの技法や素材を使い分けて作品を創る技術を持ち、文化庁・全国各地の美術館・寺院からの依頼を受けて平安時代などの十二単や小袖の復元にも携わっています。
ただ色柄を模倣するだけでなく、歴史的な資料を基に素材・技法など細かな部分をも再現し技術を守り・繋いでいます。
200年の歴史と培った高い技術、選び抜かれたこだわりの糸、これらを合わせて創られた作品は美しい見た目だけでなく着姿や着心地も別格です。
貴重な小袖と精密な技をぜひ間近で!!
文化財に指定されている巻物に描かれた「お初」の着物を忠実に再現した”復元衣装”を特別展示いたします!!
お初は戦国時代 浅井長政の3人の娘の真ん中で、三姉妹の中では一番格の高い家に嫁いだと言われています。
細部まで当時の様子を限りなく再現された貴重な小袖を間近でご覧いただけます!
さらに、この復元した小袖にも用いるような唐織の高い技術で制作された作品も多数ございます。
ぜひ柄の立体感や糸の光沢感、清左衛門ならではの美しさを感じてみてはいかがでしょうか?
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