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着物染色作家が手掛ける”特別な着物”

  • 作家先生
  • |
  • 2021/09/21

    別注の着物・・・一度は憧れるのではないでしょうか?
    今回はそんな憧れを形にした素敵なきものと、制作された染織作家さんをご紹介いたします。

    想いが形に

     

    パッと目を引く鮮やかな色使いながら、不思議と引き込まれそうになるような…。
    こちらはご成人式に着る振袖で、これからお仕立てをするところだそうです。

    成人式と言えば、お好みの振袖を一生懸命探したご経験がある方も多いことと思います。

    お気に入りの一枚を見つけ出す方がいる中、思うように出会えずにいる方もいらっしゃいます。
    その一人がとある生駒店のお客様。
    お嬢様のお好みに合わせて振袖は1から色や柄にこだわり、制作におおよそ1年かけて出来上がったそうです。

    紅葉がモチーフになっているそうです。
    葉の一枚一枚が様々な色のグラデーションになっていて、熟練の技とその細かさがうかがえます。




    帯にも同様に紅葉が入り、着姿が映える鮮やかな色使いです。
    お嬢様の寸法に合わせて仕立て上がると、さらに柄の位置や裾のグラデーションが綺麗に出てきます。
    仕立て上がりが楽しみです!!

    特別な1枚で、一生忘れられない思い出になりますね。

    『自然色を現実にする』

    素敵な振袖の制作を行ったのは、多くの着物ファンを魅了し続けている『碧の月』の児島大輔氏。

    有名な染色作家であり美術年鑑にも載るお父様の技術を幼いころから目で見て学んでいたそうです。
    海外への留学やダイビングなどの様々な経歴とそこから感じ取られた新しい感性が作品に取り入れられています。

    着姿はまるで一枚の絵を身にまとっているようです。

    たくさんの方に着物を楽しんでほしいという思いと新しい感性のもと、弟の児島元気氏とブランド『碧の月』を立ち上げられました。

    海や青色をテーマに、深みのある色から輝くような鮮やかな色、そしてなかなかお目にかかれない海の生き物たちが描かれたまさに新しい感性から生まれるデザインは若い方はもちろん幅広い世代の方を虜にしています。


    2017年には東京ガールズコレクションに作品を出品されています。

    素敵な作品をご紹介

     

    ●自然の中の碧・・・

    深い海を連想させるような深い緑に近い青や水色が並び、何とも言えない素敵な色合いです。

    また、着物の柄でも珍しいマンタやクジラなど・・・「海の生き物」たちが描かれています。

     

    ●新しい感性と伝統

    色使いや柄は今までの着物にはなかったような新しい感覚が取り入れられる中、作品の中には古典柄が用いられるものも。
    そして作品をつくり出すために長年修行を重ねられた伝統技法を用いて描かれています。 

     

    ●作品のテーマ

    碧の月のコンセプトは、式服や礼儀に固執することのない着たいをテーマにシーンや憧れ、満足感を女性に感じて頂けるように
    着物や帯、小物の製作を手掛けています。

    また、日本が誇る柄、文様、古典などをベースにし
    模写するだけでなく現代風にアレンジし、独自の世界観を追求しています。

     


    今回は素敵なお振袖と制作された染色作家さんについてご紹介いたしました。
    探されていたお嬢様も喜んでいただける作品になり良かったですね!
    お仕立て上がりとご成人式がとても楽しみです。

    着物というとやはり古典柄であったり、伝統的な配色のものをイメージされるのではないでしょうか?
    碧の月は新しい感性のもと今までにない着物が作り出されています。

    最後までお読みいただきありがとうございました✿

     

     

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